全日本漢詩大会(9月8日)と吟行会(9月9日)が開催されました
【全日本漢詩連盟設立15周年記念大会】
今年度の全日本漢詩大会は、全日本漢詩連盟の設立15周年の節目の年、「漢詩再興のおおきなうねりを」をスローガンに、東京都漢詩連盟、神奈川県漢詩連盟、千葉県漢詩連盟の共同開催で準備を進めてきました。
まだ暑さの残る東京九段下の二松學舍大学三号館、中洲記念講堂で、各賞の受賞者を始め、多くの参加者が大会に集いました。
[開会式]
午後1時半からの大地武雄全漢連常務理事の開会の辞、石川忠久大会会長(全漢連会長)からの挨拶、菅原満大会実行委員長(全漢連常務理事 事務局長)の挨拶がありました。
また、ご来賓として、二松學舍大学学長の菅原淳子さま、産経新聞社事業本部長の伊藤富博さま、日本吟剣詩舞振興会常任理事の沼崎星翁さま、日本詩吟学院理事長の大山岳壯さまから御挨拶をいただきました。
[表彰式]
続いて、表彰式が行われ、特別賞、秀作、入選の方々に賞状と記念品が贈られました。
平成30年度 全日本漢詩大会 受賞作品の一覧
[文部科学大臣賞を受賞した愛知県の巽さん]

[二松學舍大学学長賞を受賞した京都府の原さん]

特別賞、秀作、入選の表彰の後、選者を代表して石川先生からの選評、そして、文部科学大臣賞を受賞された巽幸雄さんから受賞者を代表して謝辞をいただきました。
表彰式の最後に、次年度に漢詩大会を開催する香川県漢詩連盟の保喜富夫監事から、香川大会の概容について紹介がありました。
(香川大会の実施要項などは、全漢連会報、及び全漢連ホームページで後日案内します)
[アトラクション]
アトラクションは、まず二胡の演奏から始まりました。
演奏者は本多ゆとりさん、現在中学三年生とのことですが、落ち着いた演奏と素晴らしい技術、何よりも哀切たる二胡の音色で、三曲演奏していただきましたが、あっという間に時間が過ぎるような印象でした。
12月には演奏会も予定されている実力で、将来は日中交流の架け橋になりたいという逞しいお気持ちをうかがいましたが、今後の活躍が楽しみになる演奏でした。
[二胡を演奏してくださった本多ゆとりさん]

[特別賞受賞作吟詠]
特別賞を受賞された作品から六首を、まず中国語での朗唱で味わった後に、吟詠でもう一度じっくりと聴くという形で鑑賞しました。
中国語の朗唱は神奈川県日中友好協会中国語講師の平陽さん、吟詠下さったのは、霞朗詠会総本部会長の鬼沢霞、朝翠流宗範の横溝藍鵬、岳精流日本吟院宗家の横山精真、吟道蕗山会会長の清水蕗山、日本吟剣詩舞振興会常任理事の沼崎星翁、日本詩吟学院専務理事の真島岳元の各先生でした。
[記念講演]
休憩を挟んで、石川忠久先生の記念講演。
演題は『関東ゆかりの漢詩』で、関東に関わる漢詩を八首、お話しいただきました。
大正天皇の「過目黒村」、安積艮斎の「王子村晩帰」、平野金華の「早発深川」、太刀掛呂山の「大涌谷」、三島中洲の「葉山洋所見」、山田方谷の「横浜買夷艦」、梁川星巌の「九十九里」、夏目漱石の「木屑録詩(鋸山)」について、石川先生の流暢なお話、時折入る先生の「ここがいいなぁ」というお言葉が「漢詩は楽しい」というメッセージとして感じられました。
このご講演の記録も、後日、文章化してお示ししますので、楽しみにお待ちください。
[石川先生の記念講演]

[閉会]
閉会の辞は、中山正道全日本漢連盟常務理事 事務局次長が、「来年度、香川でまた会いましょう」との言葉で締められました。
[受賞者記念写真]

【吟行会(バスツアー 9月9日)】
大会の翌日、恒例の吟行会ですが、今年は沼津御用邸へのバスツアーでした。
以下は担当の高須常務理事からの報告です。
全十五大会記念の「沼津御用邸記念公園見学会と三嶋大社参拝バスツア−」が平成30年9月9日(日)実施されました。当日は晴天に恵まれ石川会長ご夫妻をはじめ58名が参加しました。
石川会長の「大正天皇と漢詩」の講演を湯島聖堂で聴講後、大成殿前で全員で記念写真を撮り、その後2台のバスに分乗して出発、途上富士山の雄姿を眺めながら一路沼津へ向いました。
沼津御用邸記念公園では、西附属邸で大正天皇をはじめ、当時の皇族方の生活を偲び、整備の行き届いた庭園を散策、目の前に広がる駿河湾の風景を楽しみました。
その後、源頼朝ゆかりの三嶋大社に参拝して帰路につきました。
[大成殿前集合写真]

[沼津御用邸前集合写真]
