(2010年08月15日)

 杏、梨、牡丹……など十二の花をとりあげて、中国の詩人たちはいかに詠んだか、いかに新しい世界を発見したか―詩の核心に迫る!

花を詠う詩

石川 岳堂



全漢詩連会長 石川岳堂

 今日は花と云うことで12首選びました。花も色々ありまして、古くは詩経の「桃の夭夭たる」。このように目につく花から始まりまして、唐の時代になると目につかない花を詠う。唐の半ばすぎ位から目立たない花にも目を向けるようになる。

 そのきっかけを作ったのは白楽天です。白楽天の蕎麦の花。これは小さな花で、観賞向きにはならない。蕎麦[そば]と云うのは豊かな田畑には作りませんから、山合いの、
田舎の風景の中で見られるものです。

今迄の詩人は取上げなかったのですが、わざわざそういうものに目を向けて詩を作ったのです。

プリント最初は杏[あんず]の花。これは季節には目立つ花です。杜牧の「清明」から始めましょう。