(2008年11月15日)

唐詩選画本の楽しみ

  住田笛雄

 唐詩選画本の構成は、以下の7シリーズから成っている。

刊行時期期 画家 句数
A.五言古詩・七言古詩 天宝3年(1832) 翠渓 34
B.五言律詩・五言俳律・七言律詩 寛政3年(1791) 翠渓 34
C.五言律詩・五言俳律 天宝4年(1833) 北斎 52
D.七言律詩 天宝7年(1836) 北斎 40
E.五言絶句 天明8年(1788) 石峯 74
F.七言絶句 寛政元年(1789) 芙蓉 77
G.七言絶句続編 寛政5年(1793) 紅翠斎 88

 各シリーズは7冊ずつで、合計35冊に分かれている

 画本があることを知って、古書店で見かける度に1シリーズずつ買い求めてきたが、画家が北斎の2シリーズがなかなかお目にかかれなかった。今般長年の夢がかなって手元に全シリーズを置くことが出来るようになった。5年越しのことである。

 そこで、石川忠久先生校注のテキストと対比して、どの詩がどのシリーズに収められているのか、一冊ごとの対比表を作ってみた。画本に描かれた詩は、上に見るように399首であるが一種ダブリがあるので、398首が描かれていることになる。

 唐詩選には全部で465首が納められているので、67首だけ描かれなかった詩があることになる。

 その描かれなかった詩の内容は、

七言古詩12  (石川テキストの番号で言うと35から46まで)

五言排律27  (おなじく121・122、124から136、138から142、 
        145から148、151から153)

七言排律28首 (同じく198から206、208から226)

である。

 なお、二人の画家が取り上げたダブり番号は66、李白の五言律詩「秋思」である。

 描かれなかった詩が、それぞれどういう理由に由るのか浅学にしてつまびらかにしないのであるが、詩の番号35の七言古詩は、岑参の「君聞かずや胡笳の声最も悲しきを」で、絵にしても興味を引く題材であることを思うと、実はもう1シリーズ知られていないものがあるのかな、などと思ってしまう。

 何れにしても、これからも画本を眺めつつ、詩を楽しみ、画を楽しみ、崩し字を楽しみ、大いに漢詩の世界に浸かって行きたいと思っている。