(2009年04月01日)

窪寺貫道『同塵舎詩話』を!

黄遵憲「日本雑事詩」論が面白い
常務理事  中山 清

 平成8年に「同塵舎詩鈔」を出版された本会常務理事の窪寺貫道先生が、清真会の月刊誌、「清真」の編集をしておられた頃からの文章をまとめられて「同塵舎詩話」として、旧臘、上梓されました。

 先生は本会報にも同塵舎詩話として、起承転結や韻書の解説をしておられますが、それらはこの本には含みません。

 第一部(74頁)では、唐宋の大詩人が詠ずることのなかった近代の詩材を詠じている、黄遵憲の「日本雑事詩」を、二十数首を挙げて詳細に紹介されています。現代の作家にとっては、その用語を含めて参考になることが多いとおもいます。

 第二部(81頁)では、金冬心、斉白石、富岡鉄斎や山陽、南海、細香などの日中の文人の詩をとりあげ、黄遵憲と当時(明治初年)の日本人との漢詩にかかわる交流も紹介されています。

 第三および第四部(45頁)では、和歌の漢訳を中心とする詩の翻訳、さらに李白と杜甫の交際の詩、杜牧、王翰の詩の解釈、劉禹錫と司空李伸の関係まで逸話を含めて紹介されています。

 全体的に、読者は漢詩のよみ方、漢詩をめぐる逸話をやや気楽に読みながら、詩作上の、構成、用語などのポイントを教えられることが多い。是非ご購読されますようお勧めします。

(神田神保町の松雲堂、湯島聖堂・斯文会で定価2,000円で販売しています)