(2004年01月01日)

日出ずる国の漢詩

東矢 昭彦

 待望の全日本漢詩連盟が、いよいよ発足した。わが国に漢詩が上陸して以来、1千年を経て初めて日本の全詩家が大同団結をしたのである。

 石川忠久先生という名「伯楽」を得て、「千里馬」否万里馬という詩家を糾合し、相互に一粲を博する空前絶後の詩壇が現実のものとなった。大慶至極のことである。

 日本というのは、考えてみれば不思議な国である。 例えば、インドで発足した仏教は、本尊のインドでは既に衰退しているにもかかわらず、現在の我が国においては、世界一の普及を示している。

 漢詩もまた、本家の中国では、盛唐を頂点として下降線を辿り、今や作る人は寥々たるものであるとも聞き及んでいるが、日本は相対的には、世界でも作詩人口が一番多いのではないかと推測される。

 このように日本は、宗教とか芸術の源流をなした所は振るわなくなっていても、却って繁栄を維持しているのである。日本人は、真実に対する鑑識眼は鋭くて、一旦良いと見定めたものは、容易に手放さない。

 これを漢詩について言えば、単なる暇人の手遊びではなく、漢詩文化のルネサンス後期の具現者としての自覚を持って、平成の時代に相応しい作品の創造を、お互いに目途とすべきではないかと思う。