(2004年10月01日)

漢詩朗誦会を企画して

金  中

 私はかねてより、日中交流のため、何か自分のできることはないか、ということを考えてきました。両国の平和と信頼関係を築くには、お互いの伝統文化を理解することが何より大切です。中国人に「和歌」を翻訳・紹介し、一方、日本人に「漢詩」の中国語朗誦を示すことを、今後自分の進む道にしたいと思います。

 日本人は昔から、「訓読」によって漢詩を読んできました。これは漢詩の意味を、細部まで見事に翻訳できる巧みな方法であり、日本語として美しい響きを持っています。但し、惜しむらくは、漢詩が本来持つ中国語の響きが反映されないという点です。漢詩は意味伝達以外に、その整然と並ぶ字数や、抑揚のきいた平仄、そしてリフレーンする押韻といった、音韻上の魅力も存在しており、これこそオリジナルの中国語でしか体得できないものです。

 日本の皆さんも長年親しんできた漢詩を、中国語で親しんでみたい、という関心をお持ちではないでしょうか。しかし日頃、そうしたチャンスをなかなか得られぬのが実情だと思います。

 そこで「漢詩朗誦会」の開催を決意しました。日本に知られる漢詩の名篇を、自分独特の調子で朗誦する企画です。言うまでもなく大きなチャレンジになります。会場の予約から、舞台設計や演出の進行に至るまで、一つ一つ工夫しなければなりません。幸いなことに、全日本漢詩連盟理事会の方々や周りの友人たちから、暖かい御支援と御協力を仰ぎました。

 自分の声によって漢詩の魅力を存分に示せるよう、全力で今回の「漢詩朗誦会」に臨む所存です。この会を通して、多くの方々に出逢いたいのです。もしも私の朗誦を聞くことによって、皆さんが漢詩作品に対する理解を更に深めることが出来たならば、あるいは、漢詩にはまだ触れたことのない方がこれを契機に、漢詩に興味を持ってくださるならば、これにまさる喜びはありません。