(2007年04月01日)

わたしの漢詩作法(5/6)

2006年 松山漢詩大会入賞者

人生の勝利者を詠む

<松山市長賞> 東條 節子
  懐山内一豊妻千代
登來苔磴映朝陽 [のぼ]り来[き]たる苔磴[たいとう]
朝陽[せきよう]に映[えい]
樓閣聳天誇我郷 楼閣天[ろうかくてん]に聳[そび]えて
[わ]が郷[きょう]を誇[ほこ]
但使武人能勝戦 [ただ]武人[ぶじん]をして
[よ]く戦[たたかい]を勝[しょう]せしめては
絶佳匡弼顕勲光 絶佳[ぜっか]匡弼[きょうひつ]
勲光[くんこう]に顕[あき]らかなり

 課題の中から私は『四国の先哲』を選びました。漢詩作りを始めて2年余になりますが題材について考えあぐねているうちに瞬く間に時は過ぎ友人達の作品が次々と仕上るのを目の当たりにすると焦るばかりで指導下さっている先生にご心配をおかけしました。

 私は、苦しまぎれに単純な発想から今年はNHKの大河ドラマ「功名が辻」で土佐の国は盛り上がっているので一豊と妻千代にしようと決め漸く取り掛かりました。一豊の事は槍の達人で戦を運よく勝ち抜いた武将という位の知識でしたが千代の事は良妻賢母で妻の鏡と言われ内助の功のすばらしさは知り尽くされており私も女性として少しは見習わなくてはと思っているのですが…。

 夫婦力を合せ戦国の世を生き延びてきた千代の働きぶりのすごさは永く時代を経ても絶対に忘れ去られることはなくいつ迄も語り継がれることと思います。

 ご指導頂く漢詩作法について二句一章となる重要性を考え結句の三文字の備わりが余情を醸す味わいをと教っておりますので千代の内助の功のなんと深きことを思い「顕勲光」として平起式下平声七陽韻と決めました。

 そして転句で一豊の勇姿や人生の勝利者としての生きざまを詠み又、起句と承句は景色や情景をよむこととして高知城の苔むした石段が朝陽に映える様子と、大高坂山の濃い松の緑の上に品よく聳えるその偉容が、一豊と千代と共に私達高知県民にとり誇りなのだと思い力を込めました。

 此の度思いがけなく特別賞受賞の栄誉を得て、まったく夢の様な時を過し、斯道に御縁をもつことができました事に心から感謝申し上げる次第でございます。これからも漢詩文化を更に学ぶべく一生懸命精進いたし諸先輩や皆様のご教導を頂きながら一層この道を楽しんで参りたいと存じます。