(2007年04月01日)

わたしの漢詩作法(3/6)

2006年 松山漢詩大会入賞者

自然の永遠の生命を

<愛媛県文化協会会長賞> 村瀬 盧風
   良寛和尚
衲衣半破獨徘徊 衲衣[のうえ][なか]ば破[やぶ]れて
[ひと]り徘徊[はいかい]
乞食街頭空手回 街頭[がいとう]を乞食[こつじき]して
空手[くうしゅ]にして回[かえ]
此老不愁無一物 此老[このろう][うれ]えず
一物[いちぶつ]も無[な]きを
清風明月入窓来 清風[せいふう]明月[めいげつ]
[まど]に入[い]り来[き]たる

 この度の受賞は思いもかけないことで誠に恐縮しております。実は名所・旧跡の部門の作品も出させてもらいまして、そちらの方が苦労しました。それだけに入賞の知らせを戴いた時、最初はそちらの方だと勘違いしました。

 私はまだまだ未熟者で、いつも一首出来上がるのに他の人達よりも日数がかかり、服部承風先生のお手を煩わせてばかりいるのですが、「良寛和尚」の作品はその中では割りに早かったように覚えています。

 実は私は曹洞宗の住職をしておりまして、同じ宗門の良寛和尚・山頭火・穴風外・乞食桃水等の様に宗派にとらわれることなく、道元禅師の教えに忠実に大自然の生命を自己の生命として行雲流水の如く悠々と歩いておられる生き方が大好きです。

 この度の作品は私のあこがれのこれらの散聖の方々の代表として生まれてきたと思っています。

 措語で特に気を配ったのは、承句の下三字「空手回」と転句の下三字「無一物」で物質的世界観を斥け、結句の「清風明月入窓来」で良寛様の生きられた大自然の永遠の生命を少しでも表現出来たらなあと思いました。

 生意気なことを述べまして失礼致しました。今後共精進致しますので宜しくお願いします。