(2007年04月01日)
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わたしの漢詩作法(2/6)

2006年 松山漢詩大会入賞者

聴覚から視覚から

<愛媛県漢詩連盟会長賞> 井門 明彦
     阿波踊
管弦鉦鼓和宮商 管弦[かんげん]鉦鼓[しょうこ]
宮商[きゅうしょう]に和[わ]
楚楚輕輕舞作行 楚楚[そそ]軽軽[けいけい]
[も]うて行[れつ]を作[な]
老幼娘郎皆化呆 老幼[ろうよう]娘郎[じょうろう]
[みな][ほう]と化[か]
阿波城下一宵長 阿波[あわ]の城下[じょうか]
一宵[いっしょう][なが]

 私が抱いている阿波踊りのイメージは次のようなものである。 阿波踊りは、江戸時代から今日まで続いており徳島県の夏の風物詩である。連というグループがあり桟敷という演舞場に登場してくる。小気味よい三味線、鉦、太鼓のリズムが響く。「エライヤッチャ・・・踊る阿呆に見る阿呆」の囃子がはいる。老いも若きも踊りに参加する。男は勇壮、軽快に、女は清楚に慎ましく踊る。人々の踊りは深夜まで延々と続く。

 これを作詩したい。

 作詩に当たっては、服部承風先生が著書の中で述べられている「意は景に託す」を、又愛媛の吹城吟社の小原博舟先生が指導の中で言われる「二句一章の意脈をスムーズにする」を注意しました。

 起句は三味線、鉦、太鼓の聴覚から言葉を探し、承句は踊り手の舞姿の視覚から探してゆくと、どうにかまとまりました。

 転句、結句については、どういう言葉を結句に置けば、詩題が生きるのか、情景が浮かぶのか考えました。結句の三字一宵長を据えて転句、結句と結びつけてみました。

 出来上がった詩で、少しでも阿波踊りの情景を思い浮かべてくれればうれしく思います。