(2010年02月15日)

高校生とのつきあい方

時間の余裕、心の余裕を求めて
(栃木県立上三川[かみのかわ]高校教諭) 沢村茂樹

 この秋、二松學舎大学主催の、「漢詩コンクール」が例年どおり実施されました。今年で四回目を迎えたこの催しですが、私は勤務校の生徒に対して、毎回参加を勧め、希望者に作詩の指導を致して参りました。

 何とかその都度応募に漕ぎつけ、どうにか入選者も出すことができました。しかし今年はとくに印象に残る結果となりました。

 それは、本校の応募作の中から「佳作」三名、「入選」一名を選らんで頂き、のみならず、応募作多数ということで、本校には「団体奨励賞」が頂けたからです。まことに、指導者としてありがたく思います。

 さて、応募作数が多かったということで受賞の栄にあずかったわけですが、それには多少の背景があります。およそどの学校でも、夏休みの宿題の定番として読書感想文があります。

 私は今回同僚と相談して、これに代えるに漢詩製作を以てするも可、としたのです。ただし作詩法についての課外授業に参加することが必須です。

 結果は、参加したいと手を挙げた生徒たちは20名ほどでした。ずいぶん増えたと思いました。従来は二名ないし10名ほどでしたから。

 千字の作文よりは二十八字の七絶の方がラクかも、と考えた横着者も少々いましたが、希望者の多くは意欲関心もあり、学校の正式な宿題として認められるということで集まったようです。

 その彼ら彼女らに対し、内容を極度に簡略化した作詩講座を行い、すぐに○●[シロマルクロマル]のきまりに従って実作をさせました(平仄ということばも勿論使いましたが、シロマル、クロマルという言い方を多くしていたのです)

 規約をあまり説明してもなかなか腹にストンと落ちませんから、詩語表を探りながらああでもない、こうでもないと一緒に考えていくのがよいようです。こうして完成、応募に至ったのは十名ばかりでした。

 これも夏休みという時間の余裕、またこちらも楽しんでやれる心の余裕があればこそと思いました。学校[スクール]は閑暇[すこら]が語源と聞きますが、学芸に游弋できる余裕が学校には欲しいものです。

 閑話休題、石川忠久先生のお話でも伺いましたが、大切なのは「継続」だと思います。

 コンクールに参加して終り、というのではなく、これを貴重な機会として、漢詩漢文という豊かな世界に生徒を導き入れ、学び続けていくように仕向けていきたいものです。そのため、学習会・研究会、サークルや部活のようなものを恒常的な集団として成立させたいと考えています。

 この場をお借りして、同じ志をお持ちの各位に対し、実践についてのご教示ご指導を賜わりたいとお願いする次第です。