(2010年04月27日)

鸛鵲楼・秋風楼そして函谷関

石川忠久先生と行く山西省の旅
全漢詩連運営委員  中山正道

 私は本年4月27日から5月4日の八日間、第二十六次漢詩愛好家訪中団の旅行に参加しました。この旅には「石川忠久先生と行く、山西省の名所古跡を訪ねて」なる副題があり、まさに石川先生による企画そして引率のもと、山西省の詩跡や歴史的古跡を巡るものでした。

 メンバーの中には二十回以上参加されている方もいらして、またほとんどの方が、いずれかのお教室での石川先生の生徒ということもあり、その結束力の強いこと、そして和気藹藹な雰囲気には特別なものがあると感じました。

 私のこの旅におけるハイライトは、王之渙の五絶で有名な「鸛鵲楼」、漢の武帝の「秋風辞」にまつわる「秋風楼」、そして日本の唱歌「箱根八里」に出てくる「函谷関」でした。

 鸛鵲楼楼頭には、まさに「登鸛鵲楼」の詩を詠み終えたばかり!といった風情の王之渙の像があり、王之渙と並んで黄河の雄大な流れを望むことができました。「秋風楼」からは、黄河と、それに流れ込む汾河の美しい景観を間近に見ることができて感動しました。

 「函谷関」については長年あの「函谷関もものならず」の歌詞は本当だろうか?という素朴な疑問がありました。実見して、確かに箱根のほうが函谷関の谷間より山は高く、谷は深いといえましょうが、なにより「函谷関」の真価は山や谷といった自然の景観ではなく、谷間をまるで砂防ダムのように堰き止める形での堅牢な城壁からなる関所であり、改めて考えるとあの歌詞のように函谷関と箱根の自然を比べることにやや違和感を覚えました。

 この旅は、本物の漢詩跡をめぐるという大変意義深いものです。大変僭越なお願いですが石川先生にはぜひご健康に留意され、これからもずっと続けていただき、私はこの旅が続く限り参加してゆきたいと考えています。



鸛鵲楼で石川会長と筆者