(2008年04月01日)

「詠四時」詩のバイブル

顧ト之「~情詩」摘句
浅岡 C洲

春水滿四澤  夏雲多奇峯
秋月揚明輝  冬嶺秀孤松

 この詩を、陶淵明詩「四時[しいじ]とする見方もあるが、ここでは平仄の状態などから、顧[こ]ト之[がいし]の長編古詩「~情詩[しんじょうし]の一部分とする見方にしたがった。

 ~情とは、「いうにいわれぬ趣のあるここち」の意とされるが、これを言語で表現することは、極めて難しいことだと思う。ところがこの詩は、各句が独立して各季節の、そして、四句をもって四時・四季の、それぞれにおける自然・天然を象徴するとともに、その~情を見事に表現すること、あたかも一巻の画巻をみるがごとくである。

 私は、この詩に触発され、「漢詩を楽しむ」ための試みの一つとして、風、雨、草木、鳥、水など主題を絞った形での「詠四時」詩の習作を始めたが、この詩は、そのための二つとないお手本であり、かつバイブルでもある。