(2008年04月01日)

武漢のホテルの屋上から

李白「黄鶴樓送孟浩然之廣陵」
古田 光子

黄鶴樓送孟浩然之廣陵  李白

故人西辭黄鶴樓
煙花三月下揚州
孤帆遠影碧空盡
唯見長江天際流

 この詩のすばらしさを実感したのは、20年ほど前、武漢のホテルの屋上から長江を眺めた時であった。

 その日も真っ青な空が広がり、その下を長江が流れていた。その時、李白もこのような長江を眺めたのだと、去り難い思いに駆られたのを思い出す。

 孟浩然の乗った小さな舟は滔々と流れる長江の彼方に消えてしまった。それでもなおその影を追い、黄鶴楼上に立ちつくす李白、寂しいとか悲しいなどという語は一つも使われていないのに、孟浩然との別れを惜しむ李白の気持ちが、ひしひしと伝わってくる。李白の偉大さを改めて感じさせてくれる詩だと思う。