(2008年04月01日)

水着美女に添えた漢詩

孟浩然「春暁」

岡崎 満義

    春暁  井伏鱒二訳
春眠不覺曉 ハルノネザメノウツツデ聞ケバ
處處聞啼鳥 トリノナクネデ目ガサメマシタ
夜来風雨聲 ヨルノアラシニ雨マジリ
花落知多少 散ッタ木ノ花イカホドバカリ

スポーツ総合誌「ナンバー」が700号を迎えた。「ナンバー」が創刊された1980年は第2次雑誌ブームで、235点の新雑誌が出た。今生き残っているのは3誌、その中の1つに「ナンバー」があるのは、幸運だった。当時、アメリカ最大のスポーツ週刊誌「スポーツ・イラストレイテッド」と提携していた。

この雑誌は年1回、一流の女性モデルを南太平洋へ連れて行き、素晴しい水着写真をとって、特集号を作っていた。「ナンバー」もその写真を使うことにした。さて、使うとなればどんなにいい写真でも、写真だけでは何か落ちつかない。

ふと思いついて、井伏流をマネて、漢詩とその戯訳を添えることにした。表紙も美しい水着姿の美女と「春暁」、それに次のような戯訳をつけた。ミスマッチも面白いと、と勝手に思い込んだ。

 アノ娘[コ]ハ夢色眠リ色
 鳥ノ啼クヨニ愛ラシイ
 夜ノアラシヤ落花ノウレイ
 知ルヤ知ラズヤ今夢ノ中

こんな戯訳を10ばかり作って、水着美女に添えた。若気のいたり、であった。