(2004年01月01日)

藩校サミットに燃えた会津

全日本漢詩連盟会長  石川 忠久

 平成15年10月18日(土)、第2回の藩校サミットが会津若松で開催された。湯島聖堂で行われた第1回に比べて、参加の藩校関係者も藩主の後裔も数を増している。

 この日は、県立会津大学の講堂を会場に、藩校の精神をいかに継承し、地域の文化発展に生かしていくか、というテーマで、それぞれの活動の実情を報告、将来の展望などを述べ合った。

 戦後58年経ち、ここへ来てようやく“古き良きもの”を見直す気運が興ったのだろう。当事者たちの熱気は一方ならぬものがあった。あたかも江戸開府400年の節目に当ったことも、会の勢いを盛り上げた。

 報告、討論の後、宣言文を採択して幕となる。夜は、東山温泉に場所を移し、名物の田楽、馬刺し、茸汁などの珍味のご馳走、ホスト役の会津藩主後裔松平保定[もちさだ]氏は、もてなしに大童であった。

 翌19日(日)は、抜けるような晴天の下、復元された藩校日新館で、釈菜(せきさい=孔子の祭)が行われた。式典は孔子の故郷の曲阜[きょくふ]のやり方を模し、中国式の服装、儀礼に倣ったもの。館主の木厚保氏の物心両面の尽力は並大抵ではない。一同、古雅な世界にしばし浸った次第。

 午後は、飯盛山、鶴ヶ城、松平家廟所など、松平氏自から案内して下さり、一日の清遊を満喫して帰京した。

   藩校会議有感而作
道コ衰亡奸詐興 道徳衰亡して奸詐興る
此時有作豈無能 此の時なす有るはあに無能ならんや
須思往昔藩黌義 須らく思うべし往昔藩黌の義
温故知新必見徴 温故知新必ず徴を見ん

(第二句は、杜牧の「清時味有るは是れ無能」の句をもじったもの。)

    会津清遊
日新館裡語先賢 日新館裡先賢を語り
藩祖廟頭思往年 藩祖廟頭往年を思う
気霽風和古城路 気霽れ風和らぐ古城の路
公孫東道小春天 公孫東道す小春の天

 (「東道」は、道案内の意。)