(2006年07月01日)

茨城県漢詩連総会に出席

全日本漢詩連盟会長  石川 忠久

 6月10日(土)、前夜の雨も上って、好天に恵まれた。10時上野発ノン・ストップのスーバーひたちにて11時5分水戸着。鬼沢・吉沢両県連副会長が出迎えてくれる。

 吉沢氏のピカピカのベンツにてレイクヴューホテルへ。幡谷会長が待つ。4人で昼食。食事中、幡谷氏が寄贈した維新の三舟(勝海舟、山岡鉄舟、橋泥舟)の軸を義烈記念館へ見に行く話となり、デザートもそこそこに出かける。80過ぎの幡谷氏の機敏な行動性に敬服する。

 幡谷氏は地元の茨城信用組合の理事長を永年統率し、全国一の信用組合に育て上げた人物。無類の漢詩好きで、すでに自作の自由漢詩集を2冊も刊行しておられる。文字通り県連の大黒柱である。

 1時半より、水戸市民会館を会場に、第3回茨城県漢詩連盟の総会が開かれる。水戸市長、茨城新聞社長も顧問として出席された。会員総数190名の7割に当る130余名が参集、会場は熱気に包まれた。

 2時過より約1時間半、記念講演をする。「対語[ついご]と句中対[くちゅうつい]と題し、七言絶句の作り方について解説した。材料は『三体詩』の中から8首選んでみた。たとえば、次のような例である。

    忍城偶成     韓?
水自潺湲日自斜 水自から潺湲 日自から斜め
尽無鶏犬有鳴鴉 尽く鶏犬無く鳴鴉有り
千村万落如寒食 千村万落寒食の如し
不見人煙空見花 人煙を見ず 空しく花を見る

 (川は自からサラサラ流れ、日は自から暮れてゆく。鶏や犬はまったくいなくなり、鴉ばかりが鳴いている。どこの村落もまるで寒食(火を使わない節句)のよう。人家の炊事の煙は見えず、花だけが咲いている)

 右の起句と結句の傍線が句中対、転句の傍線が対語である。なお、承句も少し緩い句中対と見ることができる。

 こんなに多用する例は珍しいが、対語や句中対はよく用いられる。句が滑らかになり、且つ表現が緊密になる。漢詩の重要な技巧の一つであり、これに習熟することは、上達に不可欠である、という話をした。また。少し時間を割いて、機関誌『常陽風雅』掲載の優秀作品の評も行った。

 終了後、懇親会に参加、余韻にひたりながら、5時27分のスーパーひたちで帰京した。