(2007年08月15日)

初めて漢詩を教える

詩作入門6回講座を終えて

神奈川県漢詩連盟会長  中山 清

神奈川県漢詩連盟は、本年3月から5月にかけて2時間6回の詩作入門講座をひらきました。会場は横浜の、港の見える丘公園近くの神奈川近代文学館の会議室を借りました。新しく入会された方、というより入会を条件に参加して頂いた方が約30名、熱心に参加して下さいました。齢だけは過熟で作詩は未熟の私が講師を担当しました。

後半の実作、推敲では、連盟の理事の方々にも参加して戴き、教室のあちこちで笑い声の中で作品をめぐる対話がはずみました。後で私は理事の方々からも様子を聞いて、理解の状況を知りました。

受講された方々は色々の経験をされてきた人々ですから、漢詩つくりに興味をもたれた動機も色々と推察しますが、詩吟や、書道に精進しておられる方がかなりおられたようです。一部の有名な詩については暗記されていても、翫読された詩の数は少ないのではと感じました。実作を試みた場合の用語や句作りがぎこちない場合が多かったのでそう思うのです。もっと沢山の詩を記誦してから実作に入った方が、むしろスムースにいくのではと感じました。三多といいますが、多読が最初ではないかと思いました。

実習中の偶成の蕪詩を書きます。

担當作詩入門講座 
老若萃然吟思 老若 萃然 吟思驍ネり
郷黌教誘白頭翁 郷黌 教誘するは 白頭の翁
不期修学速成果 期せず 修学 速成の果
可鑑嬰児習歩功 鑑るべし 嬰児 歩を習うの功

赤ん坊が言葉や歩くのを習うように不断の精進を続けられますよう願ってやみません。私の如き者の話を聞かれた方はご迷惑だったかもしれませんが、反面教師という言葉もありますから、迷惑が却って実作に入るきっかけになったら、そしてご精進を持続されたなら、こんな嬉しいことはありません。私が長くご指導を賜っており、今回の企画にもご賛同戴いた先生への恩返しの少しにもなったかなというものです。私としましても色々の勉強をさせて戴きました。

終講にあたっての一首を追加します。

了作詩入門講座 
学圃同人耕耨愉 圃を學ぶ同 人 耕耨を愉み
先生努力費工夫 先生 努力して工夫を費やす
終講喜戚交交到 講を終えて喜戚 交々 到る
新畝萌生後圃蕪 新畝 萌生し 後圃 蕪る

圃には、畑つくり、野菜つくりの意味もあり(起句)、畑、野菜畑の意味もあります(結句)。この場合、作詩に擬しました。最終日に提出して戴いた一首ずつの添削は少し時間がかかりますので通信によりますが、意味のわからぬ場合は後ほどの補習会の折にでも面談したいと思います。