(2007年03月31日)

「漢詩で遊ぼう」の一日

東京都漢詩連盟の百花園吟行会

全漢詩連運営委員
  田邊 閑雄

東武伊勢崎線の東向島駅から、下町情緒あふれる細い道をぐるりと回り、明治通りをわたると、右手にずっと古い塀が続く。塀に沿って右へ右へと歩いて行くと、ほどなく塀の中への入り口、つまり目的地である向島百花園の入り口にたどりつく。

そこで、窪寺貫道会長から、柏梁体聯句のための短冊をくじ引きのようにして選び取り、門をくぐると、いかにもといった風情の昔の庭門がある。上には蜀山人の扁額がかかり、その両脇には大窪詩仏の「春夏秋冬花不断」「東西南北客争来」という楹聯がかかっている。

しばらく園内を散策する。「百花園」というだけあって、桜のみならず樹木も草も、文字通り春たけなわの「百花繚乱」である。しかし、施設の名称の由来は、本来「百花に魁けて咲く」梅園であったことかららしい。桜が真っ盛りであったのでその日はあまり目立たなかったのだが、確かに梅の木が非常に多い。

そんなことに感心していると、すでに昼時。綾部光洲事務局長の手配により本日貸し切りとなっている御成座敷で昼食。多少のアルコールも手伝って、韻書や辞書の情報交換、中国旅行の経験談や、硯の善し悪しについてなど、建物の中でも話に花が咲く。

浅岡清洲副会長と斎藤桂秀常務理事の手により、参加者全員が提出した七言一句が清書されると、窪寺会長の指示どおりの順番に並べて貼る。ここで、奥様と一緒にご参加くださった石川忠久先生が、五言律詩を、なんと即興で墨書されたのには、いやはや「さすが」だなあ、と、改めて感銘を受けた。



東京・百花園にて

集合写真撮影後、一同車座になってひとことずつ自己紹介。40人に近い参加者のなかには毎回参加してお手伝いをしてくださるかたもいれば、聖堂の講座でよく見かけるかたも多い。そしてお馴染みばかりでなく、新しく入会してくださったばかりのメンバーもちらほら。「難しい字を引いてしまって四苦八苦しました」という挨拶も。綾部事務局長は本年4回目の年男、亥年の生まれという挨拶。筆者も参加者中最年少(?)本年3回目の年男。「新婚の嫁に、作った漢詩をみせるたびに、『やるならもっとマジメにやれ』と言われてしまいます」と挨拶したところ、満座の失笑、いや、爆笑されてしまった。石川忠久先生からも、「言われないように、もう少し、頑張れ」と。

春うららかな3月31日、午前10時集合、午後3時散会という短い日程であったが、内容が凝縮されていて、充実した楽しきよき一日であった。

東京都漢詩連盟のモットーである「漢詩で遊ぼう」は、発足から1年を過ぎて、初心者にも熟練者にも浸透しつつあるように思われる。課題があるとすれば、筆者よりも若い世代の積極的な参加があれば、より以上の活性化が期待できるのではないか。