(2007年11月03日)

第2回二松学舎大学
大学生・高校生漢詩コンクール

早川サンちの漢詩兄弟

11月3日文化の日、二松学舎大学で第2回漢詩コンクールの表彰式がひらかれた。

まず今西幹一学長から「今年、二松学舎は創立130周年を迎えました。明治10年10月10日、三島中洲が“国漢の二松塾”を発足させました。以来130年の歴史を刻み、今、もう一度、国漢の意味を問う時が来ました。漢詩コンクールもその一環です。華々しくメディアに乗る“俳句の甲子園”などにくらべれば、この漢詩コンクールはごく地味なものですが、新しい応募校もふえて、将来に大きな可能性を感じています」と、挨拶。

つづいて、選考にあたった窪寺啓・全漢詩連常務理事から「入賞作以外にも惜しい作品がありました。上位者の作詩レベルは、全体的に見て、昨年より向上しているように思う。漢詩はつね日頃からの勉強が大切。今後とも、先人の詩をたくさん読み、たくさん作る努力をしてほしい。来年は質量ともに、今年を上回わることを期待しております」と、講評と激励の言葉が送られた。

大学生の最優秀賞は──

空山聽雨  空山に雨を聴く
      二松學舎大学 2年  早川 太基
烟籠幽樹午寒侵 烟は幽樹を籠め 午寒侵す
翻閲古書閑撫琴 古書を翻閲し 閑に琴を撫す
向晩山莊絶人語 晩に向んなんとして山荘に人語絶え
窗前但聽雨淋淋 窓前但だ聴く 雨淋々

高校生の最優秀賞は──

夏日偶成  夏日偶成
      二松學舎大学附属高等学校 1年  野口 英里名
雨洗長天遠嶺 雨は長天を洗い 遠嶺青し
夏深小舍晝閑? 夏深く小舍 昼 ?を閑す
輕衫午枕南華夢 輕衫 午枕 南華の夢
醒後東軒一點星 醒後 東軒 一点の星

とくに目をひいたのは、大学生の部の最優秀賞・早川太基君の弟・早川紘平君が、高校生の部でみごと優秀賞に輝いたことだ。

山莊避暑  山荘避暑
暁星国際高等学校 1年  早川 紘平
山中酷暑汗如泉 山中の酷暑 汗 泉の如し
白日燒雲三伏天 白日雲を焼く 三伏の天
迎夕草堂涼意足 夕を迎え草堂 涼意足る
檐鈴搖處臥窓邉 檐鈴揺らぐ処 窓辺に臥す

珍しい“漢詩兄弟”の出現である。早川兄弟の祖母は国語教師、父は詩吟愛好家という環境も、二人に漢詩をためらうことなく選ばせたようだ。

ちょうどこの日は、大学キャンパスで学生の「創縁祭」が開かれていた。漢詩研究会に属する早川太基君は、漢詩展示教室の中で、持参の「七絃琴」「神人暢」を弾いてみせた。中学2年のとき、中国人に習ったのだという。あざやかな演奏ぶりだった。

「5年前、湯島聖堂の石川忠久先生の作詩講座で、漢詩の勉強をはじめました。最年少の生徒でした。今年の漢詩コンクールでは、弟と一緒に入賞できて、とてもうれしいです。これからも兄弟で切磋琢磨していきたいと思います」と、早川太基君から頼もしい言葉を聞いた。



早川太基、紘平君(左)


今西学長(右)と野口英里名さん一家


窪寺貫道選考委員