(2008年01月01日)

「一日一詩」散歩中に即詠で

座間・谷戸山漢詩展をひらいて

神奈川県漢詩連盟  岡田 泰男

問吾何渉与 吾に問う 何ぞ渉[わた]るかと
唯髀肉呼嗟 [た]だ髀肉[ひにく]の呼嗟[こさ]たり
春未聴啼龍 春は未だ啼龍[ていりゅう]を聴かず
坡猶飼睡蛇 [つつみ]は猶[な]お睡蛇[すいだ]を飼[やしな]うがごとし
四時濆水滑 四時[しいじ]水を濆[わか]せて滑[なめ]らかに
孤柏傲天斜 孤柏[こはく]天に傲[おご]って斜なり
辞職厭塵事 職を辞して塵事[じんじ]を厭[いと]
功名自有涯 功名自[おのず]から涯[かぎ]り有り

米軍基地で有名な座間市に基地に隣接する処に広大な県立座間谷戸山公園があります。自然の山野を散歩しつつ詩を詠むことを日課とし、公園の伝言板に拙詩を書き続けて数年後に座間図書館の関係者から漢詩の展覧会開催の依頼があり、快諾しました。

今年1月、2月の60日間の展示に合せて約1年前から準備に入りましたが、平素からメモ程度しか残さない横着がたたり、浄書や詩意画、写真などの挿入と次々に出される希望と見学者の視線と距離も考慮して、見上げる作品は縦長の文字、距離の遠いものは大きな文字など展示物独特の配慮をしました。

開催と同時に参加者の反応があり、日々見慣れている風景をどの様な漢語に置き換えられるのか興味があったようでした。

私が作詩を始めた時は入門書と使い古しの辞書だけで5年程も頑張り、ゴルフや麻雀に励む同僚からは変人扱いされるやらで、遂に挫折寸前に到り大変悩みました。

この時に放送で石川先生の「漢詩をよむ」が始まり、まぁ「目から鱗が落ちる」とはこの事かと思い知らされ、今思えばこの放送と出会いが無かったら麻雀に溺れていたかも知れません。

入門書の多作の勧めを愚直なまでに励行し「一日一詩」それも散歩中に即詠でやろうとハードルは極めて高い、転んでも老骨を折る心配は無し、後期高齢者まであと数年あるし生涯五千首達成も途方もない夢ではなさそうです。



漢詩展をひらいた岡田泰男さん