(2009年10月16日)

絶品!白楽天「琵琶行」を朗誦

4年ぶりの「金中 漢詩朗誦会」に参加して

菅原有恒

弊連盟の運営委員で駐中国代表でもあります金中氏の「金中 漢詩朗誦会」が、平成21年10月16日(金曜日)に、渋谷区リフレッシュ氷川多目的室にて四年ぶりに開催されました。

室内一杯に漢詩に興味のある方々が押し寄せ、漢詩の珠玉名編を彼独特の節による「朗誦」を王暁東氏の琵琶演奏と併せて愉しんでおりました。今回は、NPO法人東京都日中友好協会の主催、全日本漢詩連盟の後援で行われました。

金中氏の美声は度々聴いてきましたが、一歳から漢詩を習得したというだけあって、二時間という長丁場を玲瓏たる声調で、強弱、高低、嬉しさ切なさを調和したすばらしいものでした。

特に、長編の白居易の「琵琶行」は時間にして十分以上連続して歌い上げていくもので、この正調のリズム感の豊かさ、暗記力など幼いころから培ってきたものであろうことがよく理解できました。

きっと、四年前に引き続いて待望されたのも、金中後援会の皆さんを中心として、金中氏の人柄もさることながら、この朗誦の素晴しさに打たれたものでしょう。

演目の主な内容は、李白「静夜思」「子夜呉歌」「早発白帝城」「黄鶴楼送孟浩然之広陵」、杜甫「登高」、白居易「香炉峰下新卜山居草堂初成偶題東壁」「琵琶行」、孟浩然「春曉」、王維「竹里館」、王之渙「登雀鸛楼」、王翰「涼州詩」、朱熹「偶成」、菅原道真「九月十日」、それに自詠漢詩の「詠菅原道真」、新体詩の漢詩訳の土井晩翠「荒城の月」、和歌の漢訳阿部仲麻呂「古今集・羇旅(あまのはら…)藤原定家「新古今集・秋上(みわたせば…)など日本でもよく知られている漢詩や和歌を撰んで頂き、多方面から漢詩への親しみを満喫させてもらいました。

また、第二部の「中国語で発音してみましょう」のコーナーでは、張継「楓橋夜泊」を参加の皆さんと一緒に中国語で朗誦しました。皆さんなかなかのもので、中国語原音ならではの漢詩の味わいを充分に味あわせていただきました。

石川会長の推薦のお言葉で「中国語はもともと世界で一番音楽的で美しい音調を持つ言語であるから、朗誦に向いている。金中君が幼いころから漢詩に親しみ、朗誦しているので、このたびの朗誦会では金中節≠フ醍醐味が聞けることであろう。中国語の朗誦を愉しむことにより、日本人は、一首の漢詩を訓読法による詩吟と併せて、二倍楽しむことができるのである」と言われておりますが、まさにその通りだったと思います。

小生も、全日本漢詩連盟を代表して、一言ご挨拶をさせていただき、お祝いの言葉と全漢詩連の立場を宣伝させていただき、皆さんに多く入会されることをお願いしました。

金中氏には、中国へ帰国され大学で教える傍ら、今後も、日本と中国の架け橋として両国を行き来し、いつかまた、金中節の朗誦を是非聴きたいと思います。

朗誦する金中さん