(2010年08月15日)

観光客も来た越前曲水宴

一乗谷朝倉氏遺跡で開催

福井県漢詩人協会  南出如水

平成19年から始まった越前曲水宴が、今年から福井県の代表的な観光地、一乗谷朝倉氏遺跡で開催されました。

会場となった一乗谷は、応仁の乱以降朝倉氏が五代、百年間に亘って繁栄し、この間京都や奈良の貴族や僧侶等文化人が下向し、北陸の小京都とも呼ばれていました。

特に五代朝倉義景は、足利義昭を迎えたり、京の公卿や五山の僧を招いて曲水の宴を催したり、文武共に優れた武将でしたが、戦国時代織田信長に敗れ、城下は焼討にあって灰燻に帰してしまいました。

当日は、今も名残りを留めるその広大な屋敷跡に十数名の文化人が狩衣、小袿姿で参列、耳杯でお神酒を頂いた後、短冊に和歌や漢詩を揮毫し、その詩句を朗詠する幽雅な演出で、当協会からは、三名が参加をし漢詩を即興で吟詠し盛大な拍手を承けました。

王義之の言う「一觴一詠亦足似暢叙幽情」を身を以って味わった一刻でした。

この催しも四回を迎え、次第に県民の知るところとなってきましたが、今年からは観光客をも巻き込んだ息の永いイベントとして更に続いてゆくと思われます。

私達も漢詩普及のPR手段としてお手伝いをしていくつもりですが、何日かその原点である蘭亭曲水宴に倣って漢詩人による曲水の宴が開催されることを願ってやみません。

一乗谷朝倉氏遺跡の曲水宴風景