(2005年07月01日)

玉門関は狂風の中

「扶桑風韻」第2号 優秀作  青木 みか

  戈壁沙漠     戈壁沙漠[ごびさばく]
黄沙卷地一千里 黄沙[こうしゃ]
[ち]を巻[ま]く一千里[いっせんり]
黒霧蒙天幾萬年 黒霧[こくむ]
[てん]を蒙[おお]う幾万年[いくまんねん]
遙望祁連何處所 遥望[ようぼう]
祁連[きれん]何処[いずこ]の所[ところ]
狂飆吹度古關邊 狂飆[きょうひょう][ふ]き度[わた]
古関[こかん]の辺[へん]

2001年5月末、アジア文化交流会の一員として杜公祠再建の祝賀式典に参列したが、その後戈壁沙漠や敦煌の観光を希望した6名はさらに北西に足を伸ばした。

雪の祁連を眼下に展望し、天地開闢の当初を連想するような清澄無垢、雄大壮観な絶景を機窓に見て約2時間後、敦煌に到着した。新装の山荘に宿泊した翌朝、壊れそうなぽんこつ車でガタゴトと沙漠をひたすら西方に向った。

茶一色の車窓には砂嵐の中に無数の墓地の点在するのを見るばかり、荒寥たる異郷の感慨に浸っている時、お昼頃やっと玉門関に着いた。

しかし外に出たとたん帽子やスカーフは狂風に飛ばされ立っていることさえ難しく早々に車内へ戻る。

「黄河遠上白雲間、一片孤城万仭山、羌笛何須怨楊柳、春風不度玉門関」と、王之渙の名詩を口ずさみながら1300年前の出征兵士の万斛の愁に想いを馳せた。