(2006年07月01日)

戦時中を思い出す

『扶桑風韻』第3号 優秀作  森本 虎雄

       
日照郊春草映 [ひ]は青郊[せいこう]を照[て]らし
春草[しゅんそう][は]
風吹緑野嫩芽飄 [かぜ]は緑野[りょくや]を吹[ふ]いて
嫩芽[どんが][ひるがえ]
??莽蕩連千里 ??[いずい] 莽蕩[ぼうとう]
千里[せんり]に連[つら]なり
可識天工惠澤饒 [し]る可[べ]し天工[てんこう]
恵沢[けいたく][おう]しを

今回図らずも私の野暮な詩が入賞できました。有り難いことです、我が愛媛県には「伊藤竹外先生」がいますし、更に「小原博舟先生」がいます。

総合的なことは伊藤先生にご指導を頂き、個々なことは小原先生にご指導・添削を受けています。今回のことで多少の恩返しが出来た様な気持ちです。

さて今回の詩題は「草」と言うことで大変でした。今までにあまり手がけたこともないし、どうせ出すのであれば「詠物体」にしようと思ったのですが、資料があまりありません「簡野道明先生」「名詩類選評釋」を繙き熟読し、やや参考に致しました。結句の「可識天工恵澤饒」は一面の草は天地の恩徳があるので、一寸と迷いましたが割合早く出来ました。

さて転句はと申しますと戦時中『中国東北部』〔旧満州〕へ行っていました時のことを思い出し千里の平原を馬を走らした事を思い出しながら「連千里」を思いつきました。

「??」は草木の盛んなさま。「莽蕩」は草原のひろびろとしたさま「莽莽」もありましたが意味は同じでありました、語路の関係で「莽蕩」をとりました。「??莽蕩千里に連なり」なかなか好いなあと思いながら筆を進めました。

起句・承句は対句仕立てにしようと、日の光・風の力をかり青青と成長していく草の限り無い生命力を読みこみたかったのです。

最後になりましたが「日本漢詩連盟」の益々ご発展とスタッフの皆様のご健康とご多幸をお祈り致しまして筆をとめます。ほんとうに有り難うございました