(2003年10月25日)

まほろばの里 太宰府の漢詩まつり

第19回国民文化祭福岡プレ漢詩大会

報告: 呂城 有吉巍

10月25日、太宰府市中央公民館にてプレ大会を開催致しました。4年前、窪寺啓先生に奨められて出発した企画でありましたが、太宰府677首の佳詩のご応募を頂戴致しました。

石川忠久先生を長とする審査会で、入賞10首、入選10首が選ばれ、また次世代への漢詩普及を願う新たな試みとして、将来頼もしい若年者奨励賞一首(12歳)が選ばれました。

当日、太宰府の朝は秋晴れの菊花薫る上天気で、早朝から会場の半ばを越す426名の入場者がつめかけました。

太宰府市文化協会吟詠部20名の情感溢れる合吟「菅公作・秋思の詩」にて開幕し、入賞者表彰に続き、石川先生の審査選評で、故郷[ふるさと]を詠んだ近古対比の面白さ、対語、畳語、双声の巧い使い方、詩題の上手な選び方など含蓄ある数々の教訓を頂きました。



石川忠久会長の記念講演

続く石川先生の講演は、大陸から伝わった漢字文化を日本人の叡智と努力で訓読法を発見し、漢文を日本語的に読破する方法が普及して、漢学が一段と花咲いた歴史を語られた。

最近国語の大本となった漢字文化の勉強を疎かにする風潮があり、将来憂うべき事態が懸念される。漢字を見直すことが肝要であると、全日本漢詩連盟創立の原点とも云える話に始まって、「日本の漢詩のこゝろ」と題し、菅公作・不出門に始まり大正に至る漢詩八首について、素人にも理解し易い噛み砕いた講演で、面白い挿話で笑わせられながらも、固唾を呑み聞入りました。

午後は、太宰府の幼稚園児や小、中学生約50名でのこども太鼓の演奏が行われました。ちびちゃん達が太鼓のリズムに合わせて舞台全面を舞い踊り、可愛らしい掛け声を掛けながら歓迎の曲などを披露してくれました。

観客の拍手喝采で和やかな気分に浸ったところで、文化協会会員により入賞詩十首の披露が行われました。流石に、太宰府址のまほろばの里を自称し、漢字文化を重んずる太宰府市ならではと感心させられました。アマチュアとは思われない見事な演技で、吟あり書あり舞あり、でした。

これに加えて、たまたま、来日中の元北京電視放送局アナウンサー白女史の漢字音四声による美声の漢詩朗詠が、優秀作品五首、演技の度毎に披露されました。初めて聞く雅やかな漢詩の風韻に触れた陶酔で、万雷の拍手鳴り止まぬ有様で、閉会の挨拶となりました。



中国語による吟舞の作品発表

地元の主催者側として、中央での全日本漢詩連盟結成の刺激が全国の漢詩人の胸に響いて、近隣県だけでのプレ大会で、これだけ多くのご賛同とご来場を頂いたことに感動しました。

そして、来年の本大会に向けて漢詩文化振興のためには、なお一層全国隅々の雅友にまで行き届く漢詩募集と、大会ご来場のご案内を計らねばとの責務を痛感しました。

全国漢詩人皆様の熱烈なるご支援をお願い申し上げます。

福岡県知事賞
客舎逢春    古田 光子
雨霽梅開暖意加
江南客舎鳥聲譁
遥憐故苑老槐樹
尚向寒天帯雪花

福岡県実行委員会会長賞
故山時雨    日原 傳
纖纖時雨?黄埃
細草初生溪水隈
田鼠先知春氣到
不須耕作土功堆
福岡県教育委員会賞
異ク逢友    高橋 粂太郎
邂逅呼名涙數行
經年羈客共秋霜
ク音依舊談難盡
更列酒瓶驚曙光

太宰府市長賞
秋夕久住高原    渓岳 幸長生
牽杖高原一徑通
白茅搖處晩來風
牧牛三五草間坐
久住雲峰殘照中

若年者奨励賞
秋日偶成    首藤 磨美(12歳)
牽杖高原一徑通
白茅搖處晩來風
牧牛三五草間坐
久住雲峰殘照中