(2004年11月12日)

太宰府に636名が集って…

第19回国民文化祭ふくおか2004

報告: 呂城 有吉巍

発足後の初めての国文祭漢詩大会でありました。従って、先ずは全国の漢詩人の賽会として企画すべきという方針の下に、全日本漢詩連盟役員会のご指導、ご支援を頂いて、全国各県の漢詩吟社へ漢詩投稿に就いてのお願いを致しました。

応募要項の受理、地元への配布のお手数などでも多大のご協力、ご鞭宜を賜りまして、日本全国漢詩人の祭典という容を取らして頂いて、大変幸い致しました。

16年1月応募要項発送、6月応募詩1090首拝受、選考会(湯島聖堂)は8月2日 石川先生を長とする選者10名で選ばれていた108首の中から特別賞12首、若年者奨励賞1首、秀作賞23首、入選63首が厳正に選ばれました。

作品集の編集、校正を急ぐ間に瞬く間に11月に入り、11月12日吟行の朝となりました。前日の雨が晴れ上がった太宰府の千古の礎石が拡がる都府樓跡は、全国から参加された108名の群英が古跡説明を聞き易いようにと6班に整列され、歴史資料説明員の解説を受けながら、順次に吟行。

菅公配所の榎寺の森を遠く眺望の後、太宰府展示館での発掘資料見学、観世音寺の国宝梵鐘、僧尼の戒壇院、バスにて市營太宰府館休憩所、柏梁体提出後、紅葉と苔の美しい光明禅寺の仏光石庭、一滴海庭の観賞、飛梅と大樟と菊花展の太宰府天満宮の順にと吟行して頂き、夕方より太宰府館にて懇談会となりました。

懇談会は98名のご出席で、主催者、市長、石川先生はじめ選者先生方のご挨拶、次回福井県代表の来年のご案内に續き、文化協会の祝舞、乾杯、伊藤竹外先生の太宰府吟行即吟十首のご披露等の後、大会に向けての懇談で賑わい、荒井委員の竹外先生吟行詩の吟詠で盛り上がったところで、明日に備えてお開きに致しました。

13日の大会も菊花薫る晴天に恵まれ、中央公民館は朝から満員(入場者636名)の状態で、遠くは北海道より全国からの漢詩愛好者をお迎えして、担当者一同胸に溢れる喜びと感激で、疲れを忘れて力附きました。

太宰府市文化協会吟詠部20名の「菅公律詩・秋夜」の情感溢れる合吟でオープンし、入賞者表彰に引き續き、石川忠久先生の審査選評では、上位3首と若年者詩について季節感や天候の表現や対句の巧さで大らかな情景が展開されており、好い詩は結句が好く効いているとの解説がありました。



講演中の石川忠久会長

続く石川先生の御講演は、「漢詩の味わい方」と題して、飲酒(陶潜)、幽居(韋応物)などの詩で、詩を作った「作者の心」を読み取ろうという漢詩の面白い味わい方の解説で、一般入場者にも理解しやすいかみ砕いたお話であり、満席の聴衆しわぶき一つなく聞き入りました。

特別賞入賞詩は、文化協会書道部執筆の条幅掛軸として3階の展示室に選者詩の条幅と並べて展示し、四階の昼食時の多目的ホールへの昇降時に鑑賞して頂きました。



華やかな吟舞がくりひろげられた

午後は、太宰府市文化協会の3歳から88歳に至る方々の出演で、「童謡唱歌」のコーラスに合わせて、稚児達が一生懸命に舞台で舞う可愛らしい舞踏のアトラクションが会場を賑わせました。

これに續いて、文化協会文芸部会員により、特別賞13首に対して詩吟、書道吟、詩舞などによってその優秀詩情を表現する演舞が行なわれ、アマチュアとは思われない出来映えで、又、文部科学大臣奨励賞を含む上位6首に就いては、演技の終わる度毎に、元北京電視放送アナウンサー白希智女史の中国語四声による美声の朗詠が行なわれ、雅やかな漢詩の音楽的風韻に触れた陶酔で、万雷の拍手鳴り止まぬ中で閉会の辞となりました。

本体会では応募詩を頂いた方々の平均年齢が70歳となり、香川県の時より高令化していましたので、会場の後の方では演壇の声が聞き取り難いかとも考えて、舞台横の字幕に演壇の言葉の要点を2人で速記しながらプロゼクターで映写しました。

市当局も、漢字文化の裾野を拡げるためにと、演者の横での手話通訳を配慮致しました。又、ロビーで当県漢詩人の詩集などの図書をご紹介することも試みました。

何れも、香川、群馬、鳥取の先輩県からの経験談、改善策のご教導を研究して採択したものですが、好評の事項は次県に引き継いで、漢字文化振興の糧にして頂ければ幸甚と願っております。

数年に亙るご指導、ご支援に厚く御礼申し上げます。