(2009年02月15日)

旧居を訪れて思ったこと

茨城県実行委員会会長賞  古田光子

   過舊居 旧居[きゅうきょ]に過[よぎ]
鳥雀噪庭柴戸壞 鳥雀[ちょうじゃく] 庭[にわ]に噪[さわ]ぎて
  柴戸[さいこ][やぶ]
蔦蘿纏?舊居荒 蔦蘿[ちょうら] ?[まど]に纏[まとわ]りて 
  旧居[きゅうきょ][あ]れたり
唯看先妣手栽菊 [ただ][み]る 先妣[せんぴ] 
  手[て]ずから栽[う]うる菊[きく]
籬畔寥寥對夕陽 籬畔寥々[りはんりょうりょう] 
  夕陽[せきよう]に対[たい]するを

引越し後二ヶ月位経ってからだったでしょうか、旧居を訪れるとすでにかなり荒れ果てておりました。

庭を歩いてみると、ここでの47年間のことがいろいろ思い出され、寂しさがこみあげてきました。その思いを詠んでみた詩です。

転・結句は見たままの情景のため、余り苦労せずまとめることができました。

ただ転句は「只看籬邊先妣菊」としていたのですが、母が自ら植えたことを強調したいと「只看先妣手栽菊」と直してみました。

苦労したのは起・承句です。承句の下三字は「舊居荒」で決まったのですが、起句にふさわしい韻字が見つかりません。

それで対句にすることを思いついたのですが、これが大変でした。

承句の上四字を「破窓蔓蘿」としたところ、これに対応する起句ができず、また「?」という語は使いたくなかったのですが、平仄の都合上使わざるを得ませんでした。品詞を対応させるなら、対句の難しさを痛感させられました。

また、題にも悩みました。「舊居感懐」などいくつか考えてみましたが、最後に簡単に、「過舊居」としました。

自分の思いを素朴に詠んだに過ぎないのに、賞をいただくことができて驚いております。審査員の先生方、大会の運営にあたられました皆様に、厚く御礼申しあげます。