(2008年11月08日)
  

13年の道のりを振り返る

函館漢詩文化会13周年を祝う会

 山形道文会長は「漢詩でたどる箱館戦争」「箱館奉行所復元記念講座・堀奉行と箱館の侍たち」という二冊の瀟酒な小冊子を発行、函館の歴史と文化を漢詩を通して紹介している。

 函館漢詩文化会(山形道文会長)の創立13周年を祝う記念会が、平成20年11月8日、ベルクラシック函館でにぎやかに開かれた。その模様を「北海道新聞」が、記念写真とともに次のように報道している。

 同会は漢詩研究家の山形さん(79)により1995年に発足。当初は10人だった会員は現在87人に増え、毎月行っている例会は150回を越えている。

 13周年記念会は、会員最高齢である鈴木孝造さん(90)と倉田泰次さん(89)が今年で満90歳を迎えることを祝福する目的で企画した。

 会員と来賓合わせて約90人が出席。山形さんから2人に九十寿功労表彰が手渡されると、会場からは祝福の拍手が送られた。この日は通算155回目となる例会も兼ねており、山形さんが「回顧十三年」と題して記念講話を行った。

 山形さんは「今年は源氏物語が世に出てから1000年ということで話題になっているが、漢詩はそれをはるかに超える数千年の歴史を誇っている。日本の文学の源である漢詩の世界をこれからも皆さんと味わっていきたい」と語った。

 この後、会員によるフルート演奏やハーモニカ演奏、参加者全員による漢詩斉唱などが行われ、和やかなムードの中で会が進められた。



記念会に集った人達

       

 山形道文さんの「漢詩でたどる箱館戦争」には、次の六首が載っている。

懐古箱館戦争 五稜郭公園
櫻葩映水絳羅裳 桜葩[おうは]水に映じて 絳羅[こうら]の裳[もすそ]
遠近酣歌鼓腹郷 遠近の酣歌[かんか] 鼓腹[こふく]の郷[さと]
夙昔炮煙彈雨處 夙昔炮煙[しゅくせきほうえん] 弾雨[だんう]の處[ところ]
恩讐一夢兩微茫 恩讐[おんしゅう]一夢 
[ふたつ]ながら微茫[びぼう]たり

土方歳三 戦死於箱館一本木
葵朽菊榮志業空 [あおい]は朽ち菊は栄えて志業[しぎょう]空し
五稜孤壘恨何窮 五稜の孤塁[こるい] 恨み何ぞ窮[きわま]らん
茫茫京洛劍花夢 茫々[ぼうぼう]たり京洛 剣花の夢
埋玉英姿彈雨中 埋玉英姿[まいぎょくえいし] 弾雨[だんう]の中

中島三郎助父子 中島町名由来
父子陣營同不休 父子陣営 同[とも]に休まず
蝦夷共和革新謀 蝦夷共和 革新の謀[はかりごと]
北辰夢破槍刀折 北辰夢は破れ槍刀[そうとう]折れたり
巴港傅名千代丘 巴港[はこう]名を伝[つた]える 千代が丘

高松凌雲
傷心惨目戊辰軍 心を傷[いた]ませ目を惨[いた]ませ戊辰の軍[いくさ]
一視同仁看護勤 一視同仁 看護に勤[つと]
義友救民醫國手 義友民を救い國を醫[いや]すの手
誰知偃武在奇勲 誰か知らん偃武[えんぶ] 奇勲の在るを

榎本武揚
恩讐一夢本無心 恩讐一夢[おんしゅういちむ] 本[もと]無心
萬死軍營夜氣森 万死軍営 夜気森[しん]たり
肝膽相知書與酒 肝膽相い知る 書と酒と
開城龍虎共披襟 開城龍虎 共に襟[きん]を披[ひら]

碧血碑 柳川熊吉翁
戰血斑斑凝碧純 戦血斑斑[はんぱん] 碧[みどり]に凝[こ]りて純なり
義魂耿耿散華眞 義魂耿耿[こうこう] 華と散りて眞なり
雪寃厚葬是男子 [えん]を雪[そそ]いで厚く葬う 是れ男子
霖濕碑苔?骨新 霖湿碑苔[りんしつひたい] 侠骨[きょうこつ]新たなり